ネコ型オートマトン

王様の耳はロバの耳。

パフォーマンスの暴走、あるいは孤立する韓国

日韓関係がいよいよ危なくなってきた。それどころか米韓もわからなくなってきた。私はここ一ヶ月ほどの日本の方針は米国政府に話を通してあったのだろうと見ていたのだが、流石に日米の「韓国外し」は無いだろうと思っていた。それが日韓GSOMIAの破棄で潮目が変わった感じがする。ひょっとすると日米のみならず中露も加わって、韓国、というより朝鮮半島に関するある合意のようなものが形成されているのだろうか――と思わなくもないが、流石にそれは妄想の類いだろう。

 

ただ、米軍は、韓国撤退を現実的にあり得ると考えて動いているかもしれない。もしそうなれば、米国の対中防衛戦略上、台湾が大きな意味を持ってくる。F16の売却もそういった一環だろうかなどとも思う。日本も憲法九条がどうだなどと安閑としていられなくなるだろう。もっとも、現在だってそれほど平穏ではないのだが。

 

文在寅大統領という人は子女を海外に留学させていて、そのうちのひとりの留学先は日本の大学だそうだ。彼は国内外で親北朝鮮派として認知されているが、必ずしも反米反日という訳ではないのかもしれない。よく知られているように、韓国の反日運動は国内政治の都合であることが多く、有体に言えば大統領の人気取りパフォーマンスであることが多い。文大統領もその慣例に従って経済政策の失敗を挽回しようとしたのだろうが、どうも制御不能になりかけている印象を受ける。あるいは、既に制御不能で暴走しているのかもしれない。

 

朝鮮半島は場所が場所だけに古来から難しい立場に幾度も置かれてきた。突っ張らなければたちまち周辺に呑み込まれてしまいかねないという事情も理解できる。だが、突っ張りすぎて内側から国が敗れては元も子も無い。韓国政府にはどうか冷静な舵取りをしてもらいたいものだ。